よくあるご質問QUESTION & ANSWER

よくあるご質問
泌尿器科とは?
受診された患者様に泌尿器科は受診するのが恐かったとよく言われます。名前のイメージからそう思われているようですが、あくまで尿路内科・外科です。尿検査、超音波検査を基本とした診療で、循環器内科・消化器内科等受診されるのと何ら変わりはありません。必要な場合には内視鏡等精密検査を行いますが、いわゆる痛い検査・処置は必要な場合のみです。気になる症状があれば気軽にご相談下さい。
尿に細菌がついたらどんな症状になりますか?
1)まず一番多く、皆様もよく知っている膀胱炎があります。膀胱炎の時は排尿時に痛みがある、トイレに行く回数が増えた、残尿感がある、尿がにごる、尿に血が混じるなどの症状が一般的には出現します。原因は尿道から膀胱に侵入した細菌によって、膀胱の粘膜が炎症を起こすことで発症します。女性の尿道は男性に比べて短く、尿道の出口が肛門や膣に近いため女性がかかりやすい病気です。抗菌剤による治療で、多くの場合数日で治ります。水分を充分飲む、排尿を我慢しない、陰部を清潔にする、過労を避けるなどに注意が必要です。通常発熱はありません。
2)次に急性腎孟腎炎があります。細菌感染が腎臓まで及ぶと、高熱、悪寒、腰背部痛などがみられます。重症の場合入院治療が必要になる事があります。膀胱炎から発症する事が多く、膀胱炎の早期治療が予防には重要です。これも女性に多い疾患です。
3)次に前立腺炎があります。男性の疾患ですが、排尿痛とともに高熱がみられる急性細菌性前立腺炎と会陰部や下腹部の不快感が持続する慢性前立腺炎があります。急性前立腺炎では抗生物質による治療が中心ですが、重症の場合入院加療が必要になります。慢性前立腺炎では長期にわたる服薬や前立腺マッサージが必要な場合もあり、ストレスや過労と密接に関係がある事が多い疾患です。
4)最後に精巣上体炎です。ほとんどが急性の疾患で、男性の精巣の横に付着している精子を溜める精巣上体と呼ばれる部分に細菌が侵入し、陰嚢が腫れて高熱が出る疾患です。抗生物質による治療を行い、やはり重症の場合には入院が必要になる事があります。
気になる症状があればすぐに当院にご相談下さい。
尿路結石の症状、治療、予防法について教えて下さい。
尿の通り道(腎臓、尿管、膀胱)にできる石はまず腎臓で形成されます。この段階ではほとんど症状はありませんが、出来た石が通り道の尿管に落ちてきた途端、強い腰背部痛や下腹部痛が出現します。これは石が尿の流れをせき止めて、行き場がなくなり腎臓の中に尿が溜まり押し広げられるために起こる痛みです。小さい結石(通常5mm以下)は十分な飲水等で流れる可能性も十分にありますが、それ以上の結石はなんらかの治療が必要になります。衝撃波治療や内視鏡治療が通常行われますが、どの治療を行うかは結石の位置、大きさ等により判断されます。
尿路結石症患者の45%は5年以内に再発を起こすと言われています。
定期的に再発の有無を確認をする事はもちろん重要ですが、日頃から再発に対する予防を行って頂く事で確実に再発率は減少するものと考えられます。
以下の点を日常生活の参考にして下さい。
①十分な水分摂取
結石予防における適正な一日水分量は食事以外に2000ml以上が目安と言われています。補給する水分としては水道水やシュウ酸含有量の少ない麦茶、ほうじ茶が最も適していると言われています。アルコール、コーヒー、紅茶、清涼飲料水、甘味飲料水の過剰摂取は尿中に結石形成の促進物質(カルシウム、シュウ酸、尿酸など)を過剰に排泄させるため好ましくありません。
②食事
シュウ酸の過剰摂取を控えて下さい。ほうれん草、タケノコ、チョコレート、紅茶などにはシュウ酸が豊富に含まれていますが、カルシウムと同時に摂取するとシュウ酸の吸収が抑えられるため、ミルクチョコレートやミルクティーにするなどの工夫も必要です。
③食生活
日本のおける結石患者の食生活の多くは一日必要栄養素の半分近くを夕食で摂取する夕食中心型であり、特に夕食における動物性タンパク質摂取量が多いと言われています。夕食中心の食生活は、特に就寝後の尿中への結石形成促進物質の過剰排泄につながりますので改善が必要です。夕食から就寝までの間隔は4時間程度が適当と言われてますので気をつけて下さい。
他詳細は当院にてご相談下さい。
前立腺肥大症とはどんな病気ですか?また治療法にはどのような治療がありますか?
前立腺は元々精液を産生する臓器で、40歳代半ばより大きくなる人と大きくならない人に分かれていきます。大きくなる部分は内腺と呼ばれる尿道を取り巻く部分で、大きくなる原因としては男性ホルモン、炎症、神経の刺激などが原因と言われています。大きくなった前立腺は時に尿道を強く閉塞し、尿が出にくくなるなどの排尿障害をきたします。治療は内服治療と手術治療に大きく分かれます。内服治療としては尿道を開くαブロッカーと呼ばれる薬が中心で、最近は前立腺自体を小さくする薬も出てきております。手術は前立腺をくり抜き尿道を広げる経尿道的手術が主流で比較的大きな前立腺の方が対象となります。
女性の尿漏れの対処法を教えて下さい。
尿失禁には一般的にお腹に力が入った時に漏れる腹圧性尿失禁とトイレに行きたくなった時トイレまで間に合わずに漏れてしまう切迫性尿失禁があります。腹圧性尿失禁は腹圧がかかりすぎる事で骨盤の筋肉が膀胱や子宮を支えきれなくなる事が原因ですので、骨盤の筋肉を鍛える事やダイエットがまず重要ですが、症状が強い方には尿道をテープで支持する手術法もあります。切迫性尿失禁に対しては薬物治療が有効で、数種類の薬品が治療に使われております。
男の子の包茎はほっといてもいいのですか?
小さい男の子のおちんちんは基本的にみんな皮がかぶって亀頭(おちんちんの先端の部分)が覆われた状態です。通常は成長とともに亀頭が露出されてきますが、中には全く先端も見えてこないお子さんもいます。基本的に包茎は病気ではありませんので、慌てて手術等治療する必要はありませんが、包皮炎と言われる感染症を繰り返したり、おしっこをする際に先端が風船の様に膨らんだりするお子さんは早めの治療が望ましい場合があります。自分のお子さんが大丈夫か心配の際には当院に気軽にご相談下さい。
男の子なんですが、睾丸が触れません。
男の子の睾丸はお母さんのお腹の中にいる間に腎臓の近くからどんどん下に降りてきて、生まれる頃にはほぼ陰嚢の中に納まっています。しかしながら中には途中で下降が止まってしまい、お腹の中や鼠径部(足の付け根のあたり)で止まってしまうお子さんがいます。これが停留精巣と呼ばれる状態です。停留精巣は将来睾丸の癌になりやすくなったり、不妊の原因になったりしますので、早めに睾丸を陰嚢内に降ろして固定する手術が必要になります。しかし普段は触れないけど、お風呂などでリラックスしたら触れるお子さんもいます。これは遊走精巣と呼ばれる状態で必ずしも治療は必要ありません。自分のお子さんで思いあたる方は一度当院に気軽にご相談下さい。
前立腺癌の診断・治療法について教えて下さい。
前立腺癌はある程度進行するまで症状のない怖い病気です。つまり検診を行うことが唯一早期発見につながります。まず行う検査は採血で腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原という前立腺から出ているタンパク質)を測定します。これに合わせて超音波検査、直腸指診、MRI画像などを行い、前立腺癌の可能性が高い方には生検(針で前立腺の組織を数か所採取します)を行います。この結果前立腺癌と診断された方は他の臓器に異常がないか検索したのち、病状、年齢等より薬物治療、放射線治療、手術治療が選択されます。
膀胱癌の診断、治療法について教えて下さい。
膀胱癌は症状の出にく疾患ですが、唯一症状として認められるのが血尿です。しかも痛みのない血尿(無症候性血尿)の事が多く、患者様の中には痛みがないから心配ないと考えられて診察を受けられない方も多くおられます。しかし痛みがない血尿ほど心配する必要があります。診断には膀胱鏡で膀胱内を観察するのが最も有用です。膀胱内の表面のみの腫瘍(表在性腫瘍)の場合、おおむね経尿道的手術(内視鏡手術)で治療可能ですが、膀胱の筋層深く入り込んでいく腫瘍(浸潤性腫瘍)では膀胱全摘術が必要になる場合があります。
腎臓癌の診断・治療法について教えて下さい。
腎臓は左右一つずつあり、血液中の老廃物をろ過し、体液のバランスを整える重要な臓器です。この腎臓に出来た癌は初期には無症状で、進行すると血尿や背部痛が出現してきます。腎臓癌は抗癌剤や放射線治療が効果がないため、早期発見し手術(腹腔鏡手術や開腹手術)で摘出するのが最良の治療法です。早期発見には超音波検査などの画像診断しかなく、検診が重要です。進行した状態で発見された方には分子標的薬と呼ばれる薬物治療が近年は開発され、進行を遅らせる事も可能となってきましたが、効果は限定的です。